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事務局だより


第5回 神戸市PTA安全教育振興会主催 会員対象研修会報告

平成24年9月10日(月)10時〜12時 KEC 10階大ホール 演題:『できる!を伸ばす。「お弁当の日」〜食育の根本〜』  講師:竹下和男氏 子どもが作る「弁当の日」提唱者  


▲講師の竹下氏、テンポの良いお話に皆さんも聞き入りました。


▲お弁当の日、ということで・・・。竹下氏に召し上がっていただきました。

神戸市PTA安全教育振興会は、PTA行事を会長様が安心して開催していただけるように、万一の会員の方のおけがに対応する「PTA総合補償制度」としてのお見舞金の給付を行っています。
また、年に何度か会員対象の講習会や研修会も行っています。
今回で5回目になる研修は、講演会を開催いたしました。講師に以前機関紙「PTA神戸」の「あんしんこぼれ話」でも取り上げました「お弁当の日」のお話をしていただこうと、竹下和男氏をお招きしました。

お弁当を子どもが作ることは、「食育」の根本的な要素をすべての面でとらえていることがわかります。

参加者は約250名でした。内容について少しだけご紹介します。
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 今日の講演会に来ていただいた方が「前の方へお座りください」という主催者の誘導に従って前方中央寄りに素直に詰めてくださった。主催者の言っている意味が分かる。こういう方々のところは大抵子育てがうまくいっている。
 「はなちゃんのみそ汁」の話。乳がんが一旦完治した女性が結婚後、奇跡的に妊娠した。産むことを決意し抗がん剤治療をやめたところ、再発し、余命5か月と宣告された。5歳になった時に、今までお手伝い程度しか、させていなかったが、本格的に家事を教えた。ブログにこの様子を載せている。「早寝早起き玄米生活」をモットーに。中でも鰹節を削ってだしを取る「お味噌汁」は毎朝保育園に行く前に作らせた。はなちゃんは、今、小学校4年生だが、その日の朝に、必要分の鰹節を削ってお味噌汁を作る。父親から「上手だね」と毎日褒め続けられ、遅く帰る父親のために、お手紙付きの、夕ご飯も作るようになった。今何を伝えるべきか、これだけは伝えたい、というものがちゃんと伝わっている。
 褒め続けることは子育ての基本。愛された子は素敵な大人になる。子育てを楽しめる親に育った子は、子育てを楽しんでする大人になる。子どもは育てたように育つ。
 「はなちゃんの…」のビデオを見て涙する子どもの割合は、小4くらいでは1%、中学生では7〜8%。保護者はどうか、それぞれ30%、60%。この差は、この頃の子どもはまだ人間になっていないということ。
前頭前野が未発達の子どもは、人の気持ちがあまりわからない、人のつらさがわからないから、いじめにつながる。人のことを考える脳へ発達する事が大人になる事。そのためには、小さいうちに人に喜んでもらう経験が大切。小学校、遅くとも中学校を卒業するまでに経験させておくことが親の役目。
 「勝ち組になれ」、部活で結果を出せ、何もしなくても、自分さえよければの時代。競争することも意味はあるが「人のために」と考えられることも大切。
ある大学生の話。仲良くなるために一緒に食事を作って食べることを計画したグループ。みんなが材料を買い、それぞれが調理をやり始めると、一人だけ何もしない学生がいた。同級生がやり方を教えると、急にテーブルの上のものを払い捨ててどこかへ行ってしまった。残った人たちで材料、器具を拾い、料理を仕上げ、その中の一人がその子を探しに外へ行った。この子の話。小さな頃から料理がしたいと母親に何度もお願いしたが、させてもらえない。代わりにピアノをしなさい、などといわれる。ある日やっとさせてもらえることになり、「役に立てる」と張り切ったが、うまくできなかった。母親に中断させられ「させなければよかった」というセリフが頭から離れないまま大人になった。母親から、料理をしなくていいと教わったのと同じ。この子が同級生からやり方を教わったことで、屈辱感を覚えたのが放り出した原因。
 「やりたい年齢」は低い。2歳〜9歳まで。人間の本能には「人の役に立たないと生きていけない」という社会生活を営むために必要なものがある。役に立たないと思ったら自殺する。大卒で50社以上から不採用の通知が来た男性の自殺が頻繁に記事になった。これらの男性も、他に役に立つことはあったはずなのにそれが見つけられなかった。
 子どもが台所に立ちたがる理由。?人の役に立つ事だと知っているから。?まねる事で大人になる。子どもは良し悪し関係なく、親の全てのことを真似する。7歳までは模範と模倣の時代と言われ、扇風機は足の親指で点ける、冷蔵庫の最下段は手で開け足で閉めるなど。大人が子どものさせたいことは、大人がまずやればよい。?味覚の発達の時期。味覚は0〜3歳までは未発達。ただし「甘い、油、だし」の味は拒否しないで食べる。「苦い、酸っぱい、渋い」などはまだ分からない。3歳〜9歳で味覚が発達する。だからその時に「苦い、酸っぱい、渋い」などの変な味の危険性を教える。その年齢を過ぎてからは味覚の発達はない。サルでも親が、食べられるものは、実地に食べることを見せて教える。昔は旬の食べ物だけ、死なない程度に食べ、生きていけるようにできていた人間だったはずが、今は、いつでもいくらでも食べることができる。だから生活習慣病など出てきた。「今夜何食べたい?」と親が子どもに聞きくのはおかしい。主従の逆転である。もともと地元の食材、季節ごとの食材で親が作って与えることで、子どもは育つ環境であったということ、旬がわかる子どもに育てるのが親の役目。子どもは自分にとって安全安心なものが好き。周りの大人も食べることで安心する。キライなものを食べられるようになる事は大人になる事と自覚する。
 7歳までに料理をしないと味覚の発達はすでに終わっており、今更できないとなる。ピーマン、パプリカ、アスパラ、タマネギなどの、生の甘さがわかるという事は添加物や調味料を減らした料理ができるという事。
 女子大生の一日の食事を写真で報告させてみると、
?甘いものばかりの昼食(菓子パン2個+グレープフルーツジュース)。これは、親が「時間がない」などの理由で小さい時から菓子パンなどを食事として与えてきたため作られた味覚。この学生が親になると、菓子パンを大量に買ってきて、テーブルに広げ、家族での晩御飯にするようになる危険性。
?真夜中にアイスクリーム。子どもの腸内酵素が活発な温度は38度。真夏の昼間にというなら別だが、寝る前などにこういった温度の低いものを食べさせると体温が低くなる。小さなころから食べていると習慣化する。だから、今の若い人に低体温症が多く、漢方薬が効かないという話。昔は冬場にアイスコーヒーがある喫茶店などなかった。
 また、最近トイレの個室で食事をする大学生がいる。家族で食べない習慣。一人の食事がいや、他の人に仲間がいないと思われたくない、最近のトイレはきれい等、食べられれば良いという、食事の意味の捉え方。
 ある県内の20代の保育士に、お菓子などを食事としている写真を見せた所「普通、当たり前」という反応が大半。栄養管理士を目指す学生にもいる。ごはんだけ、納豆だけ、アイスだけ、クッキー、豆乳と、30分おきに一品ずつ食べる食べ方をするので、空腹がわからないなど、体内時計が狂ってしまっている。体内時計が狂ってしまうと仕事ができない。仕事の意欲は食生活で決まるもの。食材を買ってきてそのまま、あるいはちょっと切り分けるだけで調理のできない子も多い。食育基本法で定められたことは「良い食材を選んで食べること」のみ、作れるようになることとは定めていない。
 「自分の食べるものを自分で作る」が「弁当の日」。小学校で始めた時の最初の説明で、子どもが小さいと嫌がる親。行事の弁当でさえ嫌がる親で、運動会の昼食を給食にする学校もあると聞く中、規則を作って提案した。?買い出しから後片付けまですべて子ども自身でやる。?5、6年生の調理実習に充てる。?10月の第3週と、12、1、3、5月の年5回行う。これで親も納得して始まった。子どもたちにとっては、自分で作ったかが問題。1回目はほとんど親が作っていた。そのうち自分で作る事が格好いいと思うようになり、5回目はほとんどの子が全部作るようになった。
 「弁当の日」ダイジェストでは、みんなが自分のお弁当を自慢する。ネーミングも考える、紹介文もつける。友人のコメントが嬉しい。見た目も重視しながら自分で作るお弁当は、成長の証し、友人の証しである。
 ランチルームで6年生のお弁当を羨ましそうに見る、給食を食べる1年生が、5年生になるまでに料理ができるようにならないと、と思いしっかり見ながら成長する。その子がやがて6年生に。またそれを見る1年生。10年を迎えた「弁当の日」。成人式、同窓会で調べてみた、今、自分で料理をするかという質問に、この学校の卒業生は55%が「たいへんよく作る」。「まあまあ作る」と合わせて約70%。栄養学校の生徒が4年かけ調理、栄養を勉強しても卒業後同じ質問で「たいへんよく作る」は4%だったのに対しこの差。これは教えた時期が違うから。小5、小6にやったことが良かった。
 子どもの前で親も楽しく料理することで子どもが成長する。子どもがうまく育つ環境を作るのが親。他人を喜ばせるために頑張ろうと思うようになる。買ってきて食べさせる、外で食べるなどすると、家族の絆が弱くなってくる。環境を整えれば、子どもが育つ。  「弁当の日」の講演を聞き、母親と目玉焼きを一緒に作った園児が嬉しくて周りの園児、先生、近所の人に話していたことをこの親が知り、ネグレクトの親だったが子どもをみるようになった。中学校で行った「弁当の日」荒れていた学校が良くなっていった。中学生の子どもために料理を作らない親には「(中学生の)あなたが親のために作ってあげなさい」と教えたい。
 家族の喜ぶ顔が見たいから、みんな自分が生きる価値があるとわかるために、自分で作って他人に食べてもらう喜びを自分が知るために。
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 今後も神戸市PTA安全教育振興会研修会では、会員の皆様の、安全安心のための研修会を開催いたします。
 会員の皆様ならどなたでも参加いただけますので、次回もぜひご参加くださいますよう、よろしくお願い申しあげます。

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